赤外線についての豆知識

赤外線とは光である。

その光の中には人間の目に見えるいわゆる「可視光線」があります。
私たちが普段日常生活で目にしている風景や物は全て「可視光線」という光の反射が見えているわけです。
人間の目に見える光線があると言うからには、人間の目に見えない光もあります。
「音」を例にすると理解しやすいと思いますが、超音波などは人間の耳では感知する事ができません。同じように人間の目には感知できない「光」があるのです。



なぜ暗闇が見えるのか?

人間の目には見えませんが、赤外線ライトを照射して、赤外線を感知する改造ビデオカメラを使用しているからです。各ビデオメーカーにはそれぞれビデオカメラに特性があり、赤外線感度の低い機種もありますが、もともとある程度は赤外領域を感知する事ができます。
実験として、テレビのリモコン先端部の小さな豆ランプをお手持ちのビデオカメラで覗いて見て下さい。リモコンのボタンを押すと先端の発光部分が光って見えます。しかし、肉眼では全くその光が見えません。人間の肉眼では感知できないのです。
この原理を利用し、リモコンの数百倍の赤外線ライトで照らし、それをビデオカメラで見る、と同時に録画するのです。
暗闇の中で被写体の人物からは全く赤外線の光が見えないので、誰にも見られていない、誰もいない、と思ってカップル達は様々な恥態や、愛の営みを繰り広げてくれるのです。
98年にソニーから発売された、ナイトショット機能付きのビデオカメラなどは、まさに赤外線を感知する機能を十分に発揮したすぐれモノでした。
しかし赤外線を感知するナイトショット機能は、昼間に使うと水着が透けて見えてしまうという事が話題になり、社会的モラルに反する、という見解から残念ながら発売数ヶ月で発売中止となりました。


なぜ衣服が透けるのか?

例えば布団にくるまって携帯電話を使ってみてください。何の問題も無く使えるはずです。このように電波は透過性があり、布団などは言うに及ばず、少々の壁などは突き破って進んできます。
しかし分厚いコンクリートの壁や、地下鉄の中までは電波も届きません。赤外線も同じです。赤外線の光は可視光線よりやや長い波長なので、衣服の布地一枚分ていど透過し人間の肌にあたって反射するのです。
この状態がいわゆるスケスケ状態として見えるのです。
この場合、昼間の太陽光線の中には大量の赤外線が含まれているので赤外線ライトは必要ありません。室内の電球や夜のネオンの光にも多少の差はありますが赤外線が含まれています。
室内プールの水着や体操競技のレオタード、イベントコンパニオンのコスチュームなどは室内灯の赤外線を感知してスケスケの映像を撮る事が出来るのです。
この赤外線の透視特性は絵画を透視して下絵のデッサンを確認したり、古い木造の中の構造を調べる、といった学術的な分野にも多大な貢献をしています。